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デジタルモンスターカードゲームGGT2019 個人レポート

大会レポ
04 /14 2020
「勝ち」を意識してプレイするようになったのはいつだったでしょうか。

いつからか、大会に出る時はいつも勝つ事を第一に考えるようになっていました。

その中で身に着けてきた思考がいくつかあります。一つが「人読み」です。
普通TCGの大会では「メタ読み」をしますね。どのデックが多いだろうからそれに強いデックを持ち込むといった読みです。

しかしデジモンカード、とりわけ交流会環境ではその考え方はあまり意味のない考え方です。人読みをするなら「そのデックが強いのは知っているが、具体的に誰が使うの?」と考えます。このデックが強化されたからteir1、と言う考え方もしません。いくらマタドゥルモン、ファイター、ヴォルクが強いと言ったって、実際に当たらなければいないのと一緒です。

人数の総数が少ないため、参加する全員に対して「この人はこれを使うだろう」とミクロな視点でデックを当てていく方が確実なのです。

しかし、普段はそれでいいのですが今回の大会はGGT。今まで会ったことのないプレイヤー、出会ったことのないデックが相手です。いつもやっている人読みが上手くいくでしょうか


まずは韓国勢の事を知ることにしましょう。

덴맨(デンマン)さん、前までラティハルさんだった方。予選でも非常に成績がよく、特に非戦闘デックを得意にしている。
소나기(ソナギさん)、今回の韓国代表の中では最も読みにくいプレイヤー。ハースストーンの有名プレイヤーらしく、そもそもTCG全般が上手なのだろうと予想できる。
몽테스토(モンテスト)さん、戦闘デックを好んで使うプレイヤー。マタドゥルキラー、らしい。
Johnさん、いろいろなデックを高いレベルで使える強いプレイヤー。何度か一緒に戦ったり練習したりしたので韓国勢の中では一番わかる。




……

………いやわからんて。やめましょう。人読みは相手への深い理解あってこその一点読みであって、会った事も対戦した事もない人をブログを漁るだけで理解できるわけがありません。理解したつもりになって読む方がマイナスです。

「人読み」はできないし、しない。


次に考えた拠り所は「最強のデックを使う」というものです。

だれがどんなデックを持ってくるのか全く分からないとしても、自分のデックがどんなデックにも勝てる最強のデックであれば問題ない。そういう理論です。

そんなものあるなら苦労しねーよ!と言いたい気持ちはわかりますがまあちょっと待ってください。

そもそもデジモンカードに苦労して取り組んだ人なんているんでしょうか?

例えばMTGの専業プロはプロツアーの前であれば新弾発売から毎日朝から晩までMTGの研究を重ね、また大会前でなくとも毎日数時間日常的にプレイをしていると言います。
またプロでなくても数千、数万人のプレイヤーが日夜研究を重ね日々研究が進んでいくので、あらゆるデックが試されてちょっとやそっとでは攻略できない「環境」と言うものが作られていきます。こんな中では誰も知らない最強デックなんて都合のいいものはできないでしょう。

でもデジモンカードではどうでしょう。

圧倒的な実力のあるプロもいなければ、膨大な数のプレイヤーもいない。
環境の研究と言ってもX7やファイターの様なデザイナーズデックですらまともな理解が何か月も進んでいない。

あくまで日本の環境についての評価ですが、まだまだ全然進んでいない。掘り下げる余地がありすぎると感じていました。
ちなみに前環境はこれ以上ないぐらい掘り下げられた自信がありました。マタドゥル、ヴォルク、インペコアの3竦みが他のデックよりも頭一つ抜けて強かったと確信できたからです。それに比べるとPE環境は正直全くです。
ファイターとX7が注目されたと思ったらマグナやDSCが台頭し、ヴォルクやマタも終わったと思いきやまだまだ勢いは死んでいない。群雄割拠と言えば聞こえはいいですが、これは環境初期で流行り廃りがころころ変わる時期なだけです。それがずっと続いているなあと感じていました。

だから環境理解に力を注ぎました。
有力と思われるデックそれぞれについて戦績を記録できるスプレッドシートを作成、共有してデータを集める事、デジカの話ができる場を作ること、ひたすらデックを考え回すこと。

…とまあ色々やったのですが、結果様々な原因によりそれほどうまくいかないことが分かったので止めました。
一番ダメだったのは、特定のプレイヤーが全力で力を入れて取り組んでいるデックだけもりもり勝率が上がっていくことが分かった事です。フラットなデック相性のデータが取れない。

しかし分かったこともあります。デジモンカードは上手い人が強いデックをひたすらに極めればそれ以外のデックにはいくらでも勝てるようになるということです。これで上手い人がひたすらやり込んだ相性の悪いデック以外には勝てるようになります。

そこで一番デックのポテンシャルが高いと感じたファイターをひたすらやり込むことにしました。
マタドゥルモンは常に候補にあったのですが、予選で一度も勝てなかったことと、流石に掘り下げる余地が無い事が無視できずやめました。今思えば知らない相手に一番慣れたデックで挑むのは方針としても一貫していますし、立ち位置も悪くなかったですね。

ファイターの研究結果はこちらにまとめてあります。

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とまあここまで随分遅くなってしまいましたがここからGGTレポートをば。

1戦目 vs덴맨(デンマン)さん 勝ち

初戦は韓国勢vs日本勢になるようマッチングされていました。
僕の相手のデンマンさんは韓国の第一回予選で早々に権利を獲得した後、第二回予選でも優勝しているトップクラスの実力者です。第四回予選を終えても権利が無かった僕とは天と地の差がありますね。
とは言え相手のデックはアルカディロック。そういう相手の為のオメガモンが無双の活躍を見せて勝ち。流石にデック勝ちだった事は否めません。


2戦目 vsしぐーさん 負け

お互いにデックをほぼ知っている相手。リストを見せあったわけではありませんが何を使うかは確信しています。どんな対策が入っているのかも。
あちらのデックはほぼ間違いなくテリアヴォルク。となるとゲーム展開としては1ターン目負けから2ターン目以降デュークでロックをかけて準備が出来次第ブレードを連打するプランです。ロックをひたすらやり通してJFブレードで決める手もありますが、それを防ぐ為に相手のデックにはダンシング・ターイムが入っているに決まっているので前述のプランになります。
こちらのプランの隙になるのは1ターン目。ヴァイスでレベル3やデスマッチをINされるとロックが十分に機能しなくなるので本来の相性通りあっさりシュートされて死んでしまいます。
さて勝負の1ターン目。相手ヴァイス2枚。負け。


3戦目 vs몽테스토(モンテスト)さん 勝ち(配信卓0:05:00ぐらいから)

相手はマタドゥルモンキラーとして有名なプレイヤー。戦闘デックの確率が高いでしょう。
戦闘デックと言えばファイターはズバオメガに弱いです。またファイターミラーについても経験の差から韓国勢には劣ると考えられます。勝つプランは用意してありますが、それを対策された場合の対応は自力と経験が物を言うので分が悪いでしょう。その二つのデックであれば総じて不利と思われます。

第一ターン、公開されたレベル3はズバモン 。ズバオメガなら概ね負け。

とは言えやらないわけにはいきません。幸い一ターン目から出現インコネ援護の準備が出来ていたので出現して勝ち。
その後ずっとノイズリードバーンを恐れていたのですがあんまり来ず。リード粒子化8でファイターを落とされはしましたが、とにかくバーンが来ません。ついでにデスマッチも来なかったので悠々とデュークロックで時間を稼ぎます。
そいで寿命を迎えて粒子化も剥がし、いい感じに2連ブレードの準備も整ってきたのでブレードを振ったら一発目でレベルⅢが引けなかったようで勝ち。
配信を見るとギリギリまでミミを引きつけていたりブレードを振るちょうどそのターンにズバモンを捨ててしまっていたりと、かなり僕に都合のいい方向に「あと一手」が重なっていたようです。危なかった。


4戦目 vsハカセさん 勝ち

何を使うかはわかりませんが、これと言った自信のあるデックは恐らく無く、また未知のデックを用意する時間も無かった筈です。
となると、明確に不利なズバオメガ辺りでなければ概ね勝てるでしょう。
公開されたレベルⅢはブイモン。前々からRe-137オメガモンを使いたいと言っていた事を考えればこれは同型対決でしょう。マグナは性格的に握ると思えない。

案の定同型でした。同型対決はデックの理解度が深い方が勝つので流石に制作者である僕が勝ちます。


5戦目 vs(소나기)ソナギさん 負け(配信卓1:45:00ぐらいから)

ファイターミラー。デスマッチがメインに入っていてX抗体を先に貼られてしまったらこちらの強みは殆どないわけで、打つ手なしで早々に負け。

6戦目 vsJohnさん 負け

公開されたレベルⅢはテリアモン。これはヴォルクドラモンと予想できます。
さっきの試合の様にヴァイス2枚とはいきませんが、1枚だけは通されてしまいます。
ですがここまでなら許容範囲、2ターン目にファイター出現、デュークで逃げて3ターン目にはブレードを振って勝負を決めにかかります。
ここで決められれば楽だったのですが、レベルⅢを引かれていました。まあ想定内です。もう一度ブレードを決めれば…と思っていたところに公開されたのはハグルモン。

1秒ほど脳がフリーズしました。

ブレードで勝てない=速攻できない+ヴォルクドラモンには元々不利→負け
どうしましょう、勝てる見込みゼロです。
一応相手が死ぬほど事故ることに期待して年季を入れましたが当然間に合う筈もなく負け。今やり直すなら秘めをサイドインして都合よく進化させられたらブレードで首を跳ねるというプランを狙うしか無かったと思います。年季よりはマシ。

ここまでで3-3。決勝進出の目はもうありません。ならせめて勝ち越して終わりたいと思います。

7戦目 vsアリトさん 勝ち

予選最終戦はアリトさん。ここまで5-1という素晴らしい成績。勝てば一位通過、負けても予選通過は確定していたはず。
序盤に2-0していた後しぐーさんに待ったをかけられて2-1になったのは知っていましたが、その後全く勢いが衰えないとは。恐ろしいプレイヤーです。
ここで勝てば彼の事ですから勢いそのままに優勝してしまう筈で、日本勢の優勝は喜ばしい事なのですが、とは言っても僕だって負け越しなんて情けない結果に終わりたくはありません。全力でやらせてもらいます。
アリトさんのデックは知りませんが、でも100%ケルビモンです。ケルビモン相手では如何に粒子化を通すかが全て。粒子化を通せば数ターン好き放題できるのでその隙にブレードを2連打すればほぼ勝ちです。粒子化8を使われてしまったらオメガモンを連打して時間を稼ぎつつ寿命を狙うも良し、英雄のリミットを待つも良し。

というプラン通りに勝ち。相手がヴァイスを引けない不運もありましたが、まあデックがわかってればこんなもんです。



という訳で僕の最終成績は4-3。

日本勢には2-1、韓国勢には2-2と、よく知った相手には強いけど未知の相手にはそこそこの結果が出てしまいました。プレイスタイルと言うか、取り組み方を考えれば妥当かも知れないですね。
数では勝ち越していますが順位では下半分なのでちょっと悔しい気持ちもあります。

この後決勝ではしぐーさんとアリトさんが熱いバトルを繰り広げ、予選1位の有利をそのままにしぐーさんの優勝となりました。
しぐーさんとは特に多くの時間一緒に練習をした仲間なので、優勝した事は半分くらい自分の事のように嬉しかったですね。

全選手の最終結果は
優勝 しぐーさん 予選5-2(vs韓国勢2-2、日本勢3-0)
準優勝 アリトさん 予選5-2(vs韓国勢4-0、日本勢1-2)
3位 소나기(ソナギ)さん 予選4-3(vs韓国勢2-1、日本勢2-2)
4位  Johnさん 予選4-3(vs韓国勢2-1、日本勢2-2)
5位 八坂 予選4-3(vs韓国勢2-2、日本勢2-1)
6位 モンテスト(몽테스토)さん 予選2-5(vs韓国勢1-2、日本勢1-3)
7位 ハカセさん 予選2-5(vs韓国勢2-2、日本勢0-3)
8位 デンマン(덴맨)さん 予選2-5(vs韓国勢1-2、日本勢1-3)

これを見ると、しぐーさんと僕は知ってる相手には強く未知の相手にはそこそこと言う具合ですが、アリトさんは真逆で彼の事をよく知っていないと勝てないと言う強者そのものな結果を残している事がわかります。
改めて決勝進出者のレベルの高さを感じました。

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と言う訳でぼくのGGT2019はこんなところです。

勝ちをひたすらに求め丸1年やってきた結果で、これが運も実力も合わせた今の結果だと思います。

願わくば次こそ世界一の座に着けるように、今まで以上に「勝ち」を求めていきたいですね。
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【観戦記事】デジタルモンスターカードゲームGGT2019 決勝戦

大会レポ
02 /22 2020
世界一

それがどんな分野であれ、本気でその位を目指した事がある人は果たしてどのくらいいるだろうか。
どんな分野でも本当に果てしない、頂の見えない高みであると思う。

そんな高みにテイマーとして挑み、そしてあと一歩で頂に手が届く舞台、GGT決勝。
テイマーとしての世界一とは、どんな景色なのか。そして最強のテイマーとは、如何なるものか。
その答えは、彼らのうちどちらか一方だけが知る事になる。


GGT予選ラウンド1位。しぐー

今となっては遠い昔のデジカ現役当時、最後の勝利の栄光を手にして以来頂点に君臨する名実共に日本最強のプレイヤー。
頂点の景色を知る彼が殆ど唯一と言って良い持たざる栄光がGT優勝のタイトル、そして世界最強の証明だ。

sigGGTメイン sigGGTサイド

共に戦うパートナーは勿論あの日頂点に立った時と同じヴォルクドラモン。他の誰よりも信頼できるパートナーだからこそ、誰も見た事のない高みにも共に登ってくれるに違いない。


GGT予選ラウンド2位。アリト

世界的に知られるラーナモンテイマーである彼は、2015年のGTにて初めて完膚なきまでの挫折を経験する。
ラーナモンテイマーとしての限界。彼が突き当たった「好きなデジモンでは勝てない」という事実は数多のテイマーを引退させてきた残酷な現実だ。
しかし彼はその現実を乗り越えてここに来た。ラーナモンテイマーとしての愛の形はそのままに、さらに広く深く追求したフロンティアマスターとして。愛だけでは敵わなかった限界を、しかしあくまで真っ直ぐに超えてきた。

aritoGGTメイン aritoGGTサイド

その想いにデックは応える。世界一の愛を受けたパートナーがきっと証明してくれる筈だ。彼こそが最強のテイマーであると。頂点まではあと一歩。


試合開始の直前、掛かっているものの大きさと裏腹に両者のやり取りは和やかだった。それは壮絶な予選を抜けて決勝に進めた事の安堵と、共に強敵であった韓国勢を下して決めた見知った仲同士の決勝だからか。

アリトvsしぐー
ケルビモンvsヴォルクドラモン
このマッチアップの急所は、ケルビモン側が如何に早く殴りきるかという点に尽きる。愚直に戦えばとても追いつけないヴォルクドラモンのシュートに対し、出来る限り早く年季によるクロックを展開して、各種ターミナル等で守って何とか殴りきる。それが出来るか否か。
運命の悪戯か、このマッチアップは初めてではない。第一回GCS決勝の舞台でも全く同じ対面があった。
その時の勝者はアリト&ケルビモンだった。理論値に近い速攻によってヴォルクドラモンのシュートを許さない暴力の勝利。
さて、今日の結末はどうなるのか。あの日の再現となるか、リベンジとなるか。

試合開始の合図が響くと空気はピンと張り詰める。遊びはもう無い。この先にあるのは決着のみ。


立ち上がりは静かなスタートだった。アリトは戦闘デックらしく豹変で勝ちを拾いつつ、デジヴァイス01で次ターン以降への布石を打つ。一方でしぐーは芽心で手札を整え、次のターンの動きに繋げる。
そして早くも動き出したのはしぐーだ。2ターン目、ヴォルクドラモンへの進化とデジモン墓場を決め、キュートモンと合わせて流れる様に40点のシュートを決める。更にガーベモンを貼り、後続への警戒も絶やさない。対してアリトはキュートモンとデジノームを発動し、ポイントの揺り戻しと更なる準備を進める。
3ターン目、こちらも負けてはいられないとアリトも漸く進化準備をするが、しかし返しのしぐーはまたもヴォルクドラモンへの進化を予約する。これが決まればもう決着。ここまでかかり続けてきたエンジンでヴォルクドラモンは正しく噴火寸前だった。
しかしこの舞台、仕上がっているのはしぐーだけではない。アグモンをケルビモンに進化させたアリトが表にしたのはこの場面で唯一の解答となるウルドターミナル!観客席から歓声が上がった。
これを受けてしぐーは進化を諦める。代わりにシャッガイホールを表にし、汚れた英雄の合間を縫ってヴァイスを通しに行った。このターンは遅れを取ったが、未来に希望を託す。

最高のプレイを見せたアリトの勢いは止まらない。忌々しいシャッガイホールをチィリンモンで吹き飛ばすと続け様にデジヴァイス01と戦いの年季というこれまた理想的な展開を見せる。これにより勝負の天秤は大きく揺れた。
しかししぐーもまた一歩も引かず烈火の如く攻め立てる。ヴォルクドラモンへ進化を決めたと思えば、発動するのはガーベモンの上から相手のスロットを消し飛ばすスロットリード!!
しかしこれにより「ターミナル」を公開したアリトはポイントを原点まで回復させる。ヴォルクドラモンの弾は8枚。決着には僅かに届かない。少考の後デジモン墓場をガーベモンに食わせたしぐーは80点のバーンを与える。

「勝てば良かったな…」

ここでしぐーは致命的なミスに気付く。ヴォルクドラモンはケルビモンにバトルで勝てるという事を。勝てば30点+次のターン80点+墓場の30点で確実に勝っていたという事を。激戦に次ぐ激戦により、彼の体力にも限界が迫ってきていた。
その後ドーベルモンでケルビモンを落とすも時既に遅し。ポイントはキュートモンにより安全圏へ避難されている。
そして生き残ったからには今度はこちらの番とばかりにアリトが運命的な引きで攻めに転じる。再度ケルビモンへの進化とウルドターミナルを決め、ヴォルクドラモンのシュートをまたも不発に終わらせ、次いで年季で王手をかける。

「残り1ターン。」

アリトが呟いたその言葉は、単に汚れた英雄のリミットを数えただけだろうか。
ポイントは10対20。このターンが正真正銘のラストターンだった。

先攻、最高の盤面を築いたアリトは何もする事なく準備を終える。
後攻、寿命を迎えた直後のネットから、しぐーは2枚の手札を残し4枚のカードを引く。一枚ずつ、祈るように。手札を確認したしぐーは力強く進化準備とスロットのセットを行う。
半ば引かれたことを確信したアリトは、それでも最後まで全力を尽くした。進化フェイズでガーベモンを援護に置き、全力で迎え撃つ構え。
しかし止まらない。ヴォルクドラモンと同時に生まれた最強のオプション、スロットリードは止まらない!
アリトを守るウルドターミナルを焦土に変えたヴォルクドラモンに、しぐーは最後の指示を出す。


テイマーは一人で戦っていたのだろうか。

このゲーム中、しぐーは僅か9ターンの間に5回ものヴォルクドラモンへの進化を決めた。
ミスもあったが、それをカバーするだけの超展開がそこにはあった。
対するアリトもまた、その超展開を二度も防いでいる。進化、英雄、ウルドターミナル、次のターンには戦いの年季。必要なカードを全て揃えて。
お互いにデックの100%を超えるパフォーマンスを引き出していた。あたかもデックが、パートナーが意思を持ってテイマーを助ける様に。
最強のテイマーとは、きっとそういうものなのだろう。この決勝を見てそう思う。


デジタルモンスターカードゲームグローバルグランドトーナメント優勝はしぐー&ヴォルクドラモン!おめでとう!!!!

デジモンカードゲーム GCS2019 Ver.4.0レポート

大会レポ
01 /13 2020
今回も書きます。

0.デック選択

この日まで他のプレイヤーとも情報を交換し合い、様々なデックの可能性を探ってきました。GGTに向けて個人メタに頼らない地力の強化が必要だったからです。

その結果、多くのデックが以前のレシピから大幅なアップデートを遂げました。
その中でぼくが主に担当していたのがマタドゥルモンとファイターです。

マタドゥルモンは元々上手く使えるため「このアイデアはマタドゥルモンに勝てるのか?」を検証するために回していたところ、メインデックこそ変化はないものの各デックに対する戦い方のバリエーションがどんどん増えていき着実に強くなっていくのを感じました。

ファイターは一番興味を持って考えられたデックです。よく知られている既存のデック相手であれば、初見殺しも含めて殆どのデックに五分以上で勝てるレベルまで仕上げる事ができました。
しかし、それでも新しいデックであり積み上げてきた経験値はマタドゥルモンとは段違いなため、未知のシチュエーションに対する対応力と想定したシナリオを外れた時の修正に今一つ自信が持てませんでした。

そういうわけで、用意したデックはマタドゥルモンとファイターの2種類です。この内どっちを使うかを考え、恐らくどちらを使っても予選を抜ける事はできると思いましたが、決勝で自信を持って使えるのはマタドゥルモンの方です。
なので前半後半と2回ある予選の中で前半予選ではマタドゥルモンを、それで抜けられなかったという事はマタドゥルモンが不利な相手がいるという事なのでファイターを使うことにしました。


1.使用デック

と言っても使用したマタドゥルモンにリストの違いはありません。前回と同じです。

2020011319083126d.jpeg

一応後半予選のためのファイターは用意してありますが、世に出す必要がなくなったので今回は秘密にします。

2.予選

予選前半は6人での総当たり。参加プレイヤーは

John (400Pt 現在2位)
八坂 (170Pt 現在5位)
Re:ヒラリ (150Pt 現在6位)
クズミ (50Pt 現在7位)
ウシオ (40Pt 現在9位)
マサムネ (初参加)

既に権利を有している強敵もいますが、まずはここを抜けることです。

1回戦 vs John(ズバオメガ) 勝ち
見えたレベルⅢはズバモン。素直なデックならズバオメガですし、素直じゃないデックでも概ねマタに有利そうなデックです。
しかしズバモンは援護のオメガが強さのキモなので、ノイズブースターを大事に使ってマタドゥルモン+豹変2枚の盤面を構築して勝利。

2回戦 vs マサムネ(エンシェントマーメイモン) 勝ち
初参加と言うことでデックがわかりません。と言いたいところですが、かなり前にTwitterに上げていらっしゃったデックを見たことがあったので恐らくエンシェントだと思っていました。
要は粒子化を切らさずにプレイすれば概ね勝ちなのでその通りに回して勝ち。

3回戦 vs ウシオ(X7) 勝ち
彼はX7の使い手です。そうでない可能性もありますが、X7を使ったときが一番強いのでそれを前提として動きます。
マタドゥルモンでのX7対策は後攻での争いとマタドゥルモンでX抗体を封殺しての粒子化ロックです。粒子化を捨てないでプレイすればいいでしょう。
危なげなく回して勝利。

4回戦 vs Re:ヒラリ(ヒラリスペシャル) 勝ち
相変わらずデックがわかりませんので1ターン目準備は無難に。公開されたレベルⅢはアルカディモン成長期。サングルゥモンへの進化準備が整っていましたが、粒子化の準備が無く食べられることが分かっていたので長期戦の可能性を考慮して進化キャンセル。
この時点で粒子化が有効なことがほぼ確実なのでその方向で回します。決して食べられないように粒子化を切らさずプレイして概ね勝ちの盤面を作りますが、めざ強から無限オメガモンを繰り返され、嫌にゲームを引き延ばされます。
幸いオメガがメインに1枚しか無かったので回復量が間に合わず勝ちましたが、下手な回し方をすれば寿命を迎えてしまうこともあったかもしれません。

この時点で予選抜けは確定です。まずは第一関門突破。

5回戦 vs クズミ(ブリザーヴォルク) 負け
彼はここ最近デジカへのモチベーションが高く、実力をめきめきと付けているプレイヤーです。この日も3-1で予選最終戦を迎えるなどかなりいい調子でした。
ただデックは知っていたのでそれほど恐れずに構えていました。しかし思えばそれが裏目に出たのかもしれません。
デックを知っている事のアドバンテージは主にデジヴァイス01にあります。しかし彼のデックをブリザーヴォルクと知っているが故に1枚目でヴォルク用のサイドであるシーク・エラー・ウィルスを入れてしまいます。これはヴォルクへの対策としては正解ですが、ブリザーヴォルクへの序盤の対応としては間違いでした。序盤ヴォルクを全く活用しないこのデックに対してはかなりの期間無駄牌になってしまうのです。
これとこちらの粒子化がかみ合わなかった事が重なり、あちらのブリザーにかなり好き放題させてしまいます。気付けば相手のゲージには十分な量の弾が溜まっていました。
それでもシュートさえされなければ負けなかったとは思いますが、シュートが噛み合ってしまったので負けました。

これにより予選は4-1でフィニッシュ。最後のクズミさんも4-1で、こちらが直接対決で負けているため2位での予選通過となりました。


予選後半戦は本戦に勝ち進んだプレイヤーとして観戦することが出来ないので勝敗だけを見て誰が上がるかなーと予想しつつ基本的にはだらだら過ごしていました。


予選後半の抜けプレイヤーは現在ポイント3位のアリトさんと5位のハカセさんでした。
ぼくの抜け条件は、ハカセさんよりいい順位で、クズミさんが優勝しない事です。

マッチアップは

クズミ(前半1位) vs ハカセ(後半2位)
八坂(前半2位) vs アリト(後半1位)

この形。仮にアリトさんに負けてもハカセさんが負けてクズミさんが決勝で負ければ残れるとか複雑な条件になっていましたが、まあいいでしょう。

決勝トーナメント第1回戦 vs アリト(マグナフロンティア)

ここまで僕は4回のGCSの内、オメガさんにぶちのめされた第2回を除けば全て予選を抜け、そして毎回本戦1回目で負けてきました。今日は今までで一番勝ちたい場面です。呪われたジンクスを打ち破るため、過去一番気合が入っていたかもしれません。
1ターン目。手札にはマタドゥルモンセットとノイズブースターとデジヴァイス01と不要牌。普段ならマタドゥルモンセットと01を残して2枚入れ替えるところですが、相手がアリトさんであることを考えて踏みとどまります。
彼は戦闘デックの使い手。戦闘用オプションとして唯一無二の働きをするノイズブースターを捨てて良いのか、いや、良くない。

1枚だけを交換して準備、そして進化。公開されたⅢはB24ブイモン、そして望月芽心。
この情報から予想されるデックはライズマグナかファイターか。レベルⅢがデジワーXのブイモンならほぼファイターで確定なのですが、B24のブイモンがマグナである確証はありません。B24ブイモンをファイターに採用する十分な理由を僕は知っています。そのためヴァイスでの入れ替えはかなり時間をかけてしまいました。マグナとファイター、どちらにも有効なノイズブースターか、マグナに必要な激突又は忠誠心か、ファイターには絶対必要なレベルⅢか。
結局、僕は激突を選びました。それは結果的に正解でした。

そしてノイズブースターを残した判断も正解でした。ライズマグナと判明した相手の手札からは当然とばかりにドットアルファの援護が飛んでくるからです。

完全に読み切ったプレイングで1ターン目は最高のスタートを切りました。この時点でかなり有利に事を運んだ手ごたえを感じました。

2ターン目。先攻の相手の動きはマグナモンへの進化準備と複数のオプションセット。
まあ芽心を使っているのでこの動きは当然でしょう。しかしノイズが残っているのでこちらは忠誠心か先ほどサイドインした激突か豹変さえ引いてしまえばいいのです。
手札をすべて捨てて6枚フルに補充。しかし6枚の中に有効牌はありません。

ここが勝負の決まり手でした。

有効牌の代わりに引いた01でノイズをインするなどはしましたがマタドゥルモンになれなければしょうがないのです。次のターンには豹変まで加わり、要求値はさらに上がります。それでも進化できれば勝つ盤面(ノイズ、忠誠心、豹変)は揃えられましたが、結局進化できなかったのでおしまいです。

今回の試合、やれることがあるとすれば、途中サングルゥにしかなれない場面で進化してノーブルだけ吹っ飛ばしておいてキュートでの延命を狙う選択肢ですが、その時キュートモンは引いておらず、残りのデック枚数的にマタドゥルモンへの進化を完全に切り捨てる選択でした。根本的な解決にならない上、キュートモンを引けない裏目、そして第3回でそれをやったことで負けた経験がその選択を選ばせませんでした。
多分恐らくそれをやっても負けていたのだと思います。ターニングポイントはやはり2ターン目で、進化で失われた3枚とポイントゲージを考慮してもあの場面で有効牌を1枚も引けない確率は10%(226=10.7%)程度でした。この場面でその不運を引いてしまったのが運命という事なのでしょう。カードゲームとはそういうものです。


決勝トーナメント1回戦 vsアリト(マグナフロンティア) 負け



この時もう一方の卓はまだゲームが続いていましたが、やがてハカセさんがクズミさんを下して決勝への切符とGTへの権利を勝ち取りました。

あとは実質消化試合の3位決定戦ですが、予選で一度負けた相手と言うことで後半予選中にしっかりと戦い方を反省しておいたので危なげなく勝ち。1戦目の反省で激突を最初にインする事と、相手の構築上タギルを入れるスペースがないことを読み切ったのでかなり一方的な試合運びをさせてもらいました。

と言うわけでGSC2019シーズンは獲得ポイント270点。5位でフィニッシュです。

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今回に関しては反省点もないので後悔はないですが、権利が取れなかった事は単純に悔しいですね。もし次があれば、そんな気持ちです。

悔しい気持ちですが、一応5位と言うことで代表の皆さんがもし出れなかった時の補欠、GGT当日のジャッジ補助、GGT決勝の実況解説など、なんか色々やらせてもらえるらしいのでまあ最高の舞台を一番いい席で見られる観客として楽しもうと思います。はい。ここまで読んでくれてありがとうございました。

【観戦記事】11/23デジモンカードシーズン1大会 決勝戦

大会レポ
11 /27 2019
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カードへの愛



カードゲームをやっているなら誰しもが多かれ少なかれ持っているだろう。カードを愛し、デックを愛し、ゲームを通して各々の愛を競い合う。
しかしながら勝負の世界は厳しいもので、愛ではどうにもならないことも多い。使いたいカードを決めて、それを活かすカードでデックを埋め、最後に最初に入れたカードが抜けたらデック完成。なんて冗談もよく聞く話だ。

―けれどもし、卓越した愛が理屈を超えて勝利を引き寄せるなら―

この試合は、そんな事を思わずにはいられない一幕だった。

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1.プレイヤー紹介

むらさき

彼が誰にも負けないと自負するのは、イラストへの深い造詣だ。公式イラストレーターのクレジットが無いデジモンと言うコンテンツにおいて、彼はイラストを見ただけで描いた公式イラストレーターを言い当てる能力を持つ。そんな彼が操るデックもまた、イラストへの非凡な拘りを体現したものであった。

ハイトウォグレ

まず目を引くのはこのデックの主役であるウォーグレイモンとアグモンだろう。カードNo自体はシーズン1のものだが、デジモン20thアニバーサリーセットで収録されたイラスト差し替え版を採用している。

ウォーグレイモンのイラストレーターは彼の一押しでもある中野牌人。アグモンはお馴染み渡辺けんじ。グレイモンとメタルグレイモンは森山奏。最初期から最新までデジモン公式イラストレーターがずらりといったラインナップだ。残念ながら採用できなかった一振り全滅、ドラモンキラー‼︎のウォーグレイモンは自作のライフカウンターで補完しており隙がない。しょうりつの絵柄がグレイモン系列で統一がなされているのもここまで来れば当然というものだ。
他に目を引くのは飛べるってスバらしい!の採用だろう。この枠には腐り辛く複数ターンにわたって効果を発揮する黒い歯車が採用されている事が多いが、他でもない牌人ウォーグレイモンを強化できる点においてこのカードは値千金の価値がある。

一目見て美しいと感嘆できるデックだが、ここまで統一感を持たせたデックは組むことはできても実際に大会に持ち込むのはなかなかできる事ではない。卓越した愛あればこそできる事だと思う。


きんぞく

何の因果か、決勝に残った2人のプレイヤーは普段から親交の深い好敵手同士であった。
きんぞくとむらさき。二人が揃えば永遠に話題が尽きないと自他共に認める彼らは、当然カードへの愛でもお互いに負けない強いこだわりを持っている。

NaoyaDS.jpg

一見すると標準的なDSスタンダードに見えるレシピだが、単純な性能で優るオクタモン、ルカモンルートではなくイッカクモン、ゲソモンルートを採用している事から拘りの一端を垣間見る事ができる。その拘りとは、Naoyaだ。

Naoya。ご存じの方も聞き覚えのない人もいるだろうが、この人物もまたデジモン公式イラストレーターの一人である。X抗体デジモンを多数デザインしたクロニクル期の功労者だ。

イッカクモンとメタルシードラモンを除くデックの全デジモンがNaoya氏デザインのX抗体を持っているこのルートチョイスがこのデックのコンセプトを表している。本来ルートに必要ないシードラモンをわざわざ採用しているのもこの拘りから来ているのだろう。やはりこのデックからも並外れた愛を感じる。

オプションカードのチョイスにも注目だ。構築上バトルタイプAが少ないので防御Cを不採用にし、3種類のピン差しカードを採用しているようだが…?
危機からの反撃!は少し使いどころが難しいが効果の強さはご存知の通り。
レベルⅣに変身!はコンセプトのために入っているシードラモンを使いやすくする働きの他、完全体への進化を偽装する使い方もなかなか侮れない。
最後にあの頃はよかった。元々自分に使っても相手に使っても強いカードなのだが、Naoyaルートの根幹を担うシャコモンがこの効果を最大限に活かしている。
進化ルートの利便性からバトルタイプBの完全体はシーズン1の中では使われやすい方なのだが、完全体でありながらバトルタイプCに負けやすいので進化する際にはそのケアを常に考える必要がある。その観点で、このDSデックがイッカクモンかシードラモンになっている場合、進化先がバトルタイプBのみのため相手としてはB完全体に進化しやすい。そこであの頃はよかったでシャコモンに退化するといきなりCが出てくるためB完全体は対応できずに負けてしまうのだ。


進化ルートに拘りを持ちながらオプションでその特徴を上手く戦術に昇華している、非常に洗練された構築だと言える。



それぞれ違った形で愛を昇華した二つのデック、二人のプレイヤー。
各々のカードへの愛が、シーズン1大会決勝という舞台で衝突する。


2.決勝戦

11/23、時刻は午後6時頃。シーズン1大会の準決勝が決着した。
一方の試合はNaoyaDS vs タスクモン&レオモン。どちらもレベルⅣでのゲーム展開に秀でた堅実なデックだ。
もう一方は牌人ウォーグレイモン vs Nspスタンダード。方やイラストレーターへの情熱を、方やテントモンへの信頼を形にした熱いマッチアップだ。

どちらも素晴らしい試合であった事は言うまでもないが、ここでは結果だけにとどめておこう。NaoyaDSを操るきんぞくと、牌人ウォーグレイモンをパートナーとしたむらさきの2人が決勝に勝ち上がった。


この二人、元々好敵手である事は先にも述べたとおりだが、実は事前に決勝で会おうと熱い約束を交わしており、その約束通りついにここまで勝ち上がってきた。
すなわちこの決勝の舞台で刃を交えること自体が一つの目標であり、その目標は今ここに達成された。

周りを見渡せば本日のメインイベントの一つである餃子パーティの準備も始まっており、あと数十分もすれば始まる宴特有の熱気が漂い始めている。これから祝勝会でもした方がいいんじゃないかとさえ思えるほどだ。

しかしこれから始まるのは決勝戦。その一方でそれ自体が切望した栄光でもあり、そして今まで幾度となく繰り返した好敵手との「決着」。

そんな舞台だからこそ、試合開始の合図もこんな言葉がふさわしい―――




「「乾杯!」」




大歓楽の決勝戦が、幕を開けた。
完全に余談だが、この二人に限って言えば一杯ひっかけているくらいが絶好調(ベストコンディション)じゃないかと僕は勝手に思っている

試合自体はむらさきがバトルタイプAしか採用していないこともあり、バトルタイプ有利を取れるきんぞくが終始優勢でゲームを進めていた。

順調にポイントで押されていくむらさきだが、しかしそれで負けるようなら彼はこの決勝の舞台に立っていない。
運良く…否。彼の愛にデックが応え必然的に、むらさきはパートナーをウォーグレイモンへ進化させる。

牌人ウォグレ

バトルタイプで不利とは言っても究極体まで行くと話は変わり、完全体のアノマロカリモン程度では勝つことが出来ない。ポイントの回復も相まって完全に持ち直したと言える。

が、きんぞくもまたここまで勝ち抜いてきた猛者。強敵を相手にただ手をこまねいているだけではない。
好敵手の化身ともいうべきウォーグレイモンに対して彼が繰り出したのはシードラモン+黒い歯車のコンボだ。

bo6.jpg 歯車

ギリギリだが、しかし確実に攻撃力で上回る事ができる組み合わせに対応できずウォーグレイモンが落とされてしまう。


折角進化した究極体がレベルⅣに倒されてしまったこの場面。ポイントで見ても試合の流れの面で言っても非常に厳しい展開だが、むらさきときんぞくが気にしていたのはそんな事ではなかった。


「「ウォーグレイモンvsメタルシードラモンやりたかった~」」


この日最も強かった二人のプレイヤーの関心は、既に一般プレイヤーの思考を遥かに超えていた。




あるいはそんな二人だからこそ―― 一度は逃した運命を再度手繰り寄せる事ができるのだろう。
数ターン後、本来決して簡単ではない究極体への進化をまたしても成功させたむらさきに対し、今度はきんぞくも応える。

ウォーグレイモンvsメタルシードラモン

先ほど果たせなかったウォーグレイモン vs メタルシードラモンの対決である。

この対面ではウォーグレイモンが負けているため先に動く。防御プラグインCはバトルタイプAならば定番の一手だが、それに加えて飛べるってスバらしい!まで重ねてタイプ相性をひっくり返しにかかるむらさき。
しかしここでもきんぞくが一枚上手だった。2枚の脅威をそれぞれ無効化して元々の有利を譲らない。

ウォーグレイモン vs メタルシードラモンの原作再現対決は、アニメとは裏腹にメタルシードラモンの勝利で終わった。



この勝利でほとんど試合は決したように思えた。

デックの残り状況も芳しくなく残りポイント10で寿命を迎えることになったむらさきに対して、きんぞくのポイントには十分な余裕があり、争いを通しさえすればほぼ勝ちの状況。

争いを止めるためにはプロ緊が必要だが、プロ緊があれば勝てるわけではない…そう、勝つ為にはウォーグレイモンに進化する事が殆ど必須だった。
しかし現時点で揃っているのはスロットに一枚のしょうりつのみ。臨むのはたった6枚のドローで4枚の進化パーツを引いて来なければ叶わない奇跡だった。

入念なシャッフルに加え、デックのカットを隣にいたノミジッド氏にお願いする。自分自身に加え、友の祈りまでデックに込めるように。







”天使達がその守るべき人のもっとも愛する人へ光と希望の矢を放ったとき、奇跡はおきた”






予言の一節を思い出す一幕だった。

勿論ノミジッド氏は天使ではないし、愛する人と言うのも言い過ぎだ。しかし彼が託した希望の矢は、確かに奇跡をおこしたのだ!


引いた6枚を確認したむらさきは興奮を抑えられないまま進化準備を終え、パートナーを究極進化させる。

そしてこれにはここまで全ての攻め手を捌いてきたさすがのきんぞくも動揺を隠せない。本来ゲームを終わらせるはずだった争いをたった10点のバーンカードとして使うのが精一杯だ。



形勢は逆転した。
だが、それでもまだこの二人の試合は終わらない。

流れを掴んだむらさきがきんぞくのポイントを落としにかかるが、きんぞくが倒れるよりも再度進化を果たしたメタルシードラモンが立ちふさがる方が早かった。

―彼もまたカードに愛されたテイマーなのだから―

それはさしずめ、運命に運命で応える戦場だった。




この試合2度目のウォーグレイモン vs メタルシードラモン。

先ほどと同じくウォーグレイモンが飛べるってスバらしい!を発動する。
しかし今度は結末まで同じとはいかなかった。進化のために費やした争いとプロ緊は、飛べるってスバらしい!を無効化するためにはどうしても足りなかったのだ。

空高く飛び上がったウォーグレイモンのドラモンキラーがメタルシードラモンを貫く。
二度目の原作再現は、決まり手まで完全にアニメ通りだった。



絶体絶命の危機にテイマーを救い、一度は敗れた宿敵にリベンジを果たした牌人ウォーグレイモン。
そして彼はついにテイマーのポイントを守り切った!その姿に、生きているような意志を感じたのは僕の気のせいだっただろうか。

シーズン1大会 優勝は牌人ウォーグレイモンを使用したむらさき!!おめでとう!!!







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TCGプレイヤーは、如何にして強くなるのだろうか。

構築、プレイング、そして運。勝利に関わる3要素のうち、運だけは努力でどうにもならないとされている。
しかしもし仮に、運命に影響する要素が存在するのなら―


それこそがきっと、カードへの愛ではないだろうか。

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3.そのあと

いつしか始まっていた餃子パーティーと、すでに半分程なくなっている餃子の皿がその激戦っぷりを示していた。(決勝は時間無制限だった)

激戦を戦い抜いた二人は余韻もそこそこに急いで餃子にありつき、アルコールを追加する。

デジカ大会は最高の決着だったが、今夜は餃子もあるし鍋もある。酒もまだまだ残っているし、楽しみがいくらでも控えている。

最高の夜は、始まったばかりだった。

デジモンカードゲーム GCS2019 Ver.3.0レポート

大会レポ
10 /21 2019
こんばんは。今回も書きます。

使用デック:マタドゥルモン
image1.jpeg

使用理由は他に強いデックがある中で日本では少ない傾向にあるマタドゥルモンをメタるのがしんどいため、メタられにくいと踏んだからです。
特徴はノイズブースターが入っていることぐらいです。ファイターとその他の殴るデックに強くなります。


予選Aブロック 5人参加

1戦目 お休み

2戦目 マタドゥルモン John選手

日本では少ないとされていますが、元々韓国勢であるJohnさんはマタドゥルモンを使う数少ない参加者の一人です。
マタドゥルモンミラーは先に進化した方が圧倒的に有利とされており、運の占める割合が非常に大きいマッチアップです。1戦目でJohnさんは負けていたのでここで負けてしまっても最悪予選を抜けられる可能性はあるかもしれないけれども…と負けたことを考えてしまうような弱気な気持ちでいました。

じゃんけんでは勝ち。まずもうきついけどマタかサングルゥモンに進化して相手が進化できなければ可能性はあります。
1ターン目は進化できず。一応相手も進化できなかったので少しは安心。
2ターン目も進化できず。サングルゥモンだけでも引けば後攻をとれるのですが引かず。ドルガはいましたが、ドルガは援護を使えないので使うわけにはいきません。
3ターン目も進化できず。と言うか僕はネットの下3枚が全てサングルゥモンだったので一度目の寿命まで一度も進化できませんでした。

不幸中の幸いは相手もうまく進化できなかった事。相手が進化できたのはぼくが寿命を迎える1ターン前で、進化した後に寿命で落ちてしまったのでまだ勝負になりました。

寿命後1ターン目、無限に抱えたサングルゥモンがいることもありさすがに進化。一方相手側は進化できず。
という事でマタドゥルモンが猛威を振るい、ヴァイスから通したデジカムルが発動したのを合図にゲームセット。心臓に悪いゲームだった。


3戦目 ミレニアモン 秀吉選手

粒子化が効くのでスロットと能力を責めて勝ち。


4戦目 シャウトモンX7 潮選手

X7をマタドゥルモンで倒すコツは粒子化を絶やさない事です。マタドゥルモンならX抗体を封殺できるからです。

まずじゃんけん勝ち。割と最悪。進化できなかった場合争いを待たずにシュートされてしまう他、2ターン目も後攻が取れずに負ける可能性があるためです。
幸い1ターン目はお互いに進化できず。ヴァイスだけ通されましたがX抗体が来なかったので粒子化を張って争い。
ここで争いを使ったのは、表にならなかっただけでスロットにX抗体がある可能性を考えたためです。X抗体の空撃ちはX7なら絶対に必要な行動ですが、その認識が無い可能性は十分ありました。

2ターン目にマタが立ってスロットを流し。後は粒子化を絶やさずにゲームエンド。

5戦目 マグナモン Re:ヒラリ選手

マグナモン自体は幾度となく倒してきましたが、今回の懸念は彼が既に別のマタドゥルモンを倒しているという事。マグナモンに勝ちうるレシピないしプレイヤーだという事です。

1ターン目は進化できませんでしたがヴァイスから激突をIN。

2ターン目に進化、激突、ノイズブースターを揃えて勝ち。ここでほぼゲームセット。


と言うわけで4-0で予選は抜け。Bグループで抜けたのはしぐーさん。流石です。


続いて予選C、Dグループが行われました。

Cブロックは5人中4人がマグナモンとかいう修羅の国もとい黄金の国ジパング。
抜けたのは午前と同じデックのRe:ヒラリ選手。プレイヤーが強い。

Dブロックは大混戦だったようですが最終的に抜けたのはJohn選手。ヴォルクを使ったという事ですが、予選最終戦のヴォルクvsマタドゥルモンはかなり長いゲームでした。情報が入ってくるぶんには仕方がないけど露骨に見るのは駄目、という緩いけれど規制はあったためアツいバトルの様子を知ることはできませんでしたが、興味深いマッチなのでできればレポートなど上がればいいなと思います。


決勝トーナメント

準決勝 X7 しぐー選手

X7は基本的に勝てるマッチアップであると認識していますが、一瞬の隙を突かれて負ける可能性はあります。そして今回の相手はプレイングにおいて最高のプレイヤーです。簡単なゲームにはならないでしょう。

まずじゃんけん勝ち。才能がなさすぎる。
1ターン目。サングルゥモンが豹変と争いを持っていたので進化します。ヴィシャスモードが出れば負けることはわかっていましたが、後攻をとるためとヴィシャスタギルさえなければぐっと有利になるからです。
しかしヴィシャスタギルを決められて負け。ここ、先攻の進化準備でサングルゥモンが見えてしまっているため後攻のキープ基準と芽心のサーチをヴィシャスとタギルに出来た可能性があります。それを考えれば軽率だったかもしれません。

2ターン目。後攻なので粒子化。バトル負けで10点。
その後相手がメイクラである限りX7は出ないし粒子化も解けないのですが、またマタドゥルモンへの進化だけが出来ない。そんな感じで寿命までずっと殴られ続けます。

酷いミスがあったのが寿命後2ターン目ぐらい。バトルに勝って先攻で、チィリンが無かったためX抗体第3段階を使われれば粒子化が無くなってしまう場面で手札に余っていた粒子化を伏せなかったことです。芽心を伏せられていないのでここでゲームは決まらなかったものの次のターンでオプションセットされてしまうのが余りにも痛手です。
追加の粒子化はすぐに発動したものの芽心からいつでもゲームを決められる状況。

次のターンには第2段階の方のX抗体をセットされます。そこでやっとマタドゥルモンを引いたのでX抗体だけは弾けましたが、X7にパワーで負けることもわかっていました。

結局X7のシュートは最後まで防ぎ切りましたが、巧みな戦術とマタドゥルモンになれない不運により殴られ続けて負け。


3位決定戦 マグナモン Re:ヒラリ選手

午前中勝った相手です。
後攻をとったところ、相手は1ターン目からマグナモンへ進化準備。ここでこちらも進化できる手札だったのですが、進化しても勝てないため進化せず。豹変をセットしたほか力の激突をサイドインします。相手は豹変を張ってタイチで殴ってきたので20点をくらいます。

さて、ここから必要なのはマタドゥルモン進化セット3枚、豹変1枚、激突又は忠誠心1枚、ノイズブースターです。このうち前半の4枚は既にあるため残りの2枚を引けばマグナモンを落とせます。簡単ですね。

と考えたのが敗因です。

マグナモンはスロットを流せないので豹変をセットしておくのは良いのですが、あろうことかマタドゥルモン進化セット3枚を抱えたまま3枚ずつデックを回し始めてしまったのです。
当然デックを回しきれず負け。世界で一番ヘタなプレイなので良い子は絶対にまねしないように。

負けたのは僕の下手さが原因ですが、相手のプレイもまた上手い点がいくつもありました。
一つは確か3ターン目。
マグナモンがノーブルアリーナを表にします。こちらのプランでは動くターンには忠誠心か激突を持っている予定なので正直あっても無くても同じなのですが、サングルゥモンが丁度ダブったので流す目的で進化します。してしまいました。これもミスなんですよね。
すると、残りのスロットから捲られたのは秘めと太一。ドルモンには秘めが効かないのを承知でサングルゥモンを誘き出して60点を与えるためだけに秘めと太一を温存して罠を貼っていたのです。
普通にマグナされるよりキルターンが4ターンは早かったと思うので本当に素晴らしいプレイです。
また、メインにアクセラレータが入っているため、マタドゥルモンに進化したターンに合わせてアクセラ秘め秘めと発動して40点を与えるプランもあったということで、ちゃんと回せていても間に合わなかった可能性もありました。こっちについてはチィリンがあれば防げますが、引けているかはわかりません。
何はともあれ不利な中でも勝ちに行けるプランを持っている事の賜物だと思います。おめでとうございます。


と言うわけで結果は4位。準決勝はミスが無ければ勝てたのかわからないですが、3決は下手すぎて負けたので実力通りと言わざるを得ないでしょう。ヘタクソに勝つ資格はないので。

ポイントレースは以下の通り。




5位に落ちました。
次勝てば上がれるのは変わらないので実質的に順位は変わらないのですがそれはそうと権利が無いので崖です。

次は上がれると良いですね。

八坂

旧デジモンカードシーズン1、
アルティメットバトルルールには明るいです。